Airbnbオーナー家族と10年以上前に途絶えたペンパルのお母さんが知り合いでお茶に招かれた話と北キプロス旅行記

こんにちは、KISEです。トルコ出張から帰ってきました!今回はイスタンブルでの仕事を終えて、週末弾丸北キプロス旅のことを書きたいと思います。私の人生に二度とあるかないかの奇跡の話です。

その前に、私がトルコ語を志したきっかけについて書かねばなりません。詳細はnoteをご覧いただくのがいいかもしれませんが、小学校~高校まで北キプロスの女の子と文通をしていました。

いつの間にか途絶えてしまうのが文通の妙味でもあり、お互い進学などで忙しくなった時期あたりで途絶えたのは、まだFacebookが登場する前のこと。メールアドレスは交換していたような気がするけど、送っても帰ってこないので結局手紙だけやりとりでした。

それから12年。SNSで彼女の名前を検索してはみるものの、それらしき人物はヒットせず。それでも完全に忘れることがなかったのは、自己紹介のたびに「なんでトルコ語できるの?」といまだに聞かれるからです。そして「じつはむかし北キプロスにペンパルがいて~」と毎度、定型句のように答えるからです。

さて、前置きが長くなりましたが、郵便局員がいつもTURKEYとTOKYOを間違えて80円切手を貼っちゃうようなド田舎ポストオフィスから出した手紙がいったいどんな所に届いていたのか見てみたくて、今回北キプロスを訪れました(余談ですが、北キプロスはトルコにしか承認されていない国連未承認国家なので国際郵便では「TURKEY」と書かないと届きません)。

北キプロス側のエルジャン(Ercan)空港へは、イスタンブルから飛行機で1時間半程度。日本からすると台湾のような安近短お出かけスポットという位置づけです。

土曜日の夕方、アタテュルク空港”国際”線ターミナル。海外ではよくあることですが直前にゲートが変更になり、新ゲートまで一緒に走ったおじさんが飛行機でも隣の席でした。名前をアクンさんといい、文房具屋のオーナー。仕事で訪れたイスタンブルから帰るところだったそうです。

アクンさんにもやっぱり「お姉さん、なんでトルコ語にしようと思ったの?」 と訊ねられました。実は昔ペンパルがいて……途絶えちゃったんですけど。もう人生で何百回この話したかなと思いつつ……。

もちろんほかにも、北キプロス観光情報や日本のこと、家族のことなどたくさんおしゃべりし、仕事の名刺も交換して意気投合。しかも今夜の宿があるレフコーシャまで車で送ってくれるといいます。うーん、どうしよう。

女一人旅、素性の知れない人の車に乗らないというのは基本中の基本なわけですが、今時「素性」を確認する方法はたくさんあり、名刺やFacebook、Instagramにアップされたご家族との日常から「好意の人」だと判断し、お世話になることにしました (そしてもちろん好意の人でした) 。流しのタクシーだって見ず知らずの他人の車であることは違いないですから。

さて、そうこうしているうちにエルジャン空港到着です。かつてはパスポートではなく別紙に入国スタンプを押してもらわないとギリシャ等に入国できなくなる!なんていわれましたが、IC化でスタンプが形骸化したいまは普通にパスポートに押してもらって問題ないそうです。日本人はビザも不要です。

荷物も身の回り品だけですし、あっという間に入国して空港を出ると、ほのかに潮の匂いがしました。イスタンブルとはまた違う、どこか懐かしい田舎の海の匂いです。

PHOTO BY KİSE
エルジャン空港の外観

北キプロス国籍のアクンさんと外国人の私では入国審査の列が分かれてしまったので、出口で待ち合わせ。

その前にSIMカード買おうかと思いましたが「1泊2日で宿にwifiあったらいらないよ!」とのことで買わず。代わりにアクンさんがAirbnbホストのミラティに電話して「今夜のお客さんをお送りするから!」と申し合わせてくれました。

結局、市内までの交通手段に悩むこともなく、ボーっと助手席に座っていただけで宿まで到着してしまいました。どうせレフコーシャを通ってギルネの自宅に帰るついでだったからぜんぜん気にしないで、とアクンさん。でも、せめてものお礼にと日本限定キットカットを差し上げました。やはり持つべきものはバラマキ土産です。経験上、こういうときお金は絶対に受け取ってもらえないけどお菓子なら受け取ってもらえるので……。


到着したAirbnbのおうちではオーナー(の息子さん)であるミラティが待っていてくれました。一棟の各階にミラティ、お母さん、おばあちゃん、おばさんが別々に住んでいて、空き部屋を旅行者に提供しています。

「ホストマザー」はミラティのママであるティジェンさん。エントランスを入ってびっくり。油彩キャンバスやハンドメイドアクセサリーが並ぶサロンはアトリエというか画廊というか。ダイニングキッチンも窓が広く開放的。私もこんな暮らししたい!と一目で思うお部屋です。

そして私の寝室も、絵とセンスのよい置き物、ライトアップ。部屋自体はこじんまりながら清潔で、一人旅なら十分でしょう。

PHOTO BY KİSE
わたし用に準備してくれたベッドルーム

じつはまだそれほど遅い時間でもなかったのですが、なにせ機内食自慢のターキッシュエアラインズ、たった1時間半のフライトでもキプロス名物チーズのパニーニが出てお腹いっぱい。遊びに出かけられる場所もないので、素敵なダイニングでティジェンさんとお茶して過ごすことにしました。

淹れてもらったシナモンとカルダモンのお茶、いい香りで癒されます。まずは基本の自己紹介。そう、自己紹介といえば……。

「なんでトルコ語話せるの?」

ですよね。気になりますよね。わかります。じつは昔レフコーシャ在住のペンパルがいましてね……。

「その子の名字は?」

いやいや、私もこれまでSNSで検索したけど出てこなかったんですよ。引越したり結婚して名字が変わったりしたのかもしれませんね、とその場ではペンパルの話は終了。

話題は明日の予定についてに変わりました。実質1日しか滞在時間がないので、せいぜいレフコーシャの街とギルネの港を歩くくらいかな、と相談したらタクシー会社に電話してくれ運賃を確認してくれました。さらに、ちょうど暇だからタクシーの8割額くらいで運転手してあげようか?とご提案。

つくづく今回の旅は交通に恵まれています。ぜひお願いすることにしました。ちなみにタクシー会社の提示額は、レフコーシャ~ギルネ、レフコーシャ~空港間それぞれ100リラ(2500円程度)。20分程度の距離でこの金額ですから、日本とそれほど変わりません。北キプロスではガソリン代が高騰しているのとタクシー会社が少ないためだそうです。また、北キプロスにはまだUberは使えず、バスも本数が少ないとのこと。空港でのアクンさんの件といいラッキーつづきの私。北キプロス旅行の情報収集にこの記事を読んでいただいている方には全然参考にならないかもしれませんね。すみません。

ともかく明日の予定が決まったところでティジェンさんは自室へ。私もシャワーを浴び、一仕事して早めに就寝しました。


早く寝たせいで5時くらいに目覚めました。あたりはまだ真っ暗。共同スペースは自由に使ってよいので、ダイニングでお茶を淹れて日記をつけたり写真の整理をしたり。

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早朝のレフコーシャ。部屋のベランダから

夜が明けるにつれ鶏の鳴き声が聞こえ、うっすら朝ぼらけてくるとファジュル礼拝のエザーン(モスクから礼拝時刻を知らせる呼びかけ)が。

ふと誰か起きてきたかなと思ったら、昨日は会えなかったもう一人の同居人でした。Airbnbホストを始めるからこの家に下宿しているザンビア女子 アナシュちゃん 。北キプロスは「大学の街」として学生や教育関係者を呼び込んでおり、特にアフリカからの留学生が多いそうです。彼女もその一人。ジョギングと日曜礼拝(彼女はキリスト教徒)のため早起きしたとのこと。お互い出かけてしまったので彼女と会えたのは結局この一度だけでした。

さて、、日が昇って明るくなってきたのでカメラを提げて外へ。今日はよいお天気です。目的もなく歩き回りながら、林野庁、民俗資料館、教会、モスク、レンタサイクルが目についたので写真に収めてみました。地中海の島だけあって、オレンジやレモン、オリーブが庭にあるおうちが多いです。

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お隣の庭でたわわに実るレモンの樹
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レンタサイクル。次回は挑戦してみます
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トルコ国旗と北キプロス国旗が並列されていることが多いです
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山の法面にもダブル国旗。夜はライトアップされます
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朝日に照らされたイェニシェヒル・シェヒトラル・ジャーミー(モスク)

1時間ほどの朝散歩から戻るとティジェンさんが朝ごはん用意して待っていてくれました。オリーブと柑橘類、チーズ、バター、ヨーグルトのパーフェクト地中海食です。部屋もお洒落なら盛り付けまでお洒落。ティジェンさん、結婚式等も手掛けるプロのビューティシャンだけあってとにかくセンスがいい。

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ザ・メディテレーニアン・ブレックファスト!

さて、メニューのなかでも特に手前右のハルミー(ヘッリム)チーズはキプロス特産品としてお土産にも人気のチーズで、お餅のようにグリルで焼いて食べるのが一般的です。

トーストにはヤギバターとオリーブオイル。オレンジにもオリーブオイル。地中海食はオリーブがないと始まりません。日本では高級なグリーンオリーブの実もオイルもかけ放題、つまみ放題の朝食は私のようなオリーブ好きにはたまらない。

そんな贅沢な朝食を終え、メイクしたり荷物の整理をしていると、下の階に住むティジェンさんのお姉さんから食後のコーヒーのお誘いが。女性の茶飲み文化は世界共通ですね。もちろん行きます。

迎えてくれたお姉さんのウルゲンさんはこの家にあふれる油彩キャンバスの作者。そしてお二人のお母さん(つまりミラティのおばあちゃん)と私の4人でトルココーヒー。スイーツはキプロスの郷土スイーツであるシャマーリー・ケーキ(セモリナとアーモンドのケーキ)。ウルゲンさんお手製です。炒ってない柔らかいアーモンドってなかなか食べる機会がないし、甘いシロップがジュワっと滲みたあらびきセモリナはコーヒーとよく合います。

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トルコでよく見る円形のテニケ(オーブン用焼き型)
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シロップたっぷりのシャマーリーはコーヒーと相性抜群

そして、やっぱりここでも聞かれました。

「なんでトルコ語にしたの?」

「ペンパルがいて……」

しかしここで初めての反応が返ってきました。

「同じ名字のひと知ってるし電話してみようか? 親戚かもしれないし」

もちろん冗談、おもしろ半分ですよ。だってそんな偶然ありえないし。でももし親戚だったらすごいよね~と、この時は、その場の全員がそう思ってました。(まだ朝早かったのでこの場では電話しませんでした)

ひとしきりおしゃべりして食後のコーヒーとデザートも食べ終えたら、そろそろ出かける準備。私にとっては帰る準備でもあります。つくづく滞在時間短かすぎ。

スーツケースをティジェンさんの車に積み、ギルネ港へ向かうべくシートベルトを締めた時でした、ウルゲンさんから着信があったのは。

「文通相手、そのひとの娘さんだってwwwww」

は?

なんて??娘???

もう車内でティジェンさんと二人顔を見合わせ、笑っていいのか困惑していいのか、だってこんなことあります?普通?

ペンパル本人はイギリスで仕事をしておりレフコーシャにはいないそうですが、ご両親は今も同じ住所にお住まいだそうです。

ウルゲンさんにペンパルのお母さんの電話番号を教えてもらい、さっそくかけてみるも応答なし。でももうここまでラッキー続きなら焦らずに後でもう一回かけようと出発。ティジェンさんも「アンタもってるわw」と笑いっぱなしでした。

そんなこんなでとりあえず出発。まずは車で15~20分程度のギルネに向かいます。北キプロスの首都はレフコーシャですが、ホテルが多く街が栄えているのはギルネ。観光目的の場合はギルネ滞在がおすすめです。

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ディズニーシーではなく本物の「メディテレーニアン・ハーバー」です

我々の目的は、ギルネ・カレスィ(キレニア城)。この記事のトップ画像です。ギルネ・カレスィは地中海の地理と歴史をギュッと詰め込んだような城砦で 、ビザンティン、英リチャード1世、ヴェネツィア、オスマン帝国はもちろんのこと、近代以降も軍事施設として利用されるなど、北キプロスの観光スポットとして1、2を争う場所。

外国人の入場料は12リラ(約240円)でした。

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城塞を見上げたところ
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城塞のなかを登っています

石造りの砦を登りきると、 天空の城ラピュタに登場するような明るい屋上庭園が広がっており、四方の壁(であり城)にカフェや難破船資料館が併設されています。資料館は無料で、ギルネ港周辺の海底から引揚げられた船の残骸や、一緒に見つかった積荷から紐解く当時の暮らしぶりなどを見ることができます。

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歴史ロマンを感じざるを得ません
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難破船資料館に展示された船倉レプリカ

ショーケースに展示されているものはもちろんですが、足元に転がっている苔むした石材もきっと貴重な歴史遺構の残骸だったりします。といいつつわりと無造作に打ち捨てられているのは、たぶん掘ったら次から次へと出てくるので希少価値がないんでしょうね。兵馬俑みたいに。

この城塞が現役だった頃も海や空は今と同じ風だったんだろうなと歴史ロマンに浸りながらしばし撮影タイム。城壁の上からははるか地中海を望むこともできます。

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地中海に面した美しいギルネ港

一通り見て回った後はランチ。さっきケーキ食べたばかりな気がするけど、ティジェンさんオススメの海辺のレストランPEANUTSへ。

特に「タブク(チキン)・ドルマ(詰め物)」が美味しいそうで、鶏胸肉にキノコたっぷりこってりベシャメルソースを詰めカツレツ風に揚げたカロリーの鬼みたいなメニューでしたが、せっかくなので注文。ティジェンさんはそれにさらにナッツソースのかかったなんかすごいの食べてました。

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ナスやピーマンのドルマ(肉詰め)はよくあるけど、チキンのドルマは初めてです

この店でおもしろかったのが、テーブルサービスのソルト・ピーナッツ。ボウルいっぱいの塩煎りピーナッツ食べ放題で皮はテーブルの穴に落とすスタイル。斬新です。(ただし別にキプロスの伝統文化というわけではない)

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殻付きピーナッツは自然な甘みでつまみに最高ですが、なぜテーブルサービスなのかは謎

ピーナッツもカツレツもイモもピラフも大変美味しかったんですが、半分でギブアップ。残りは包んでもらい、食後のチャイと景色を楽しんだ後、まだ時間がありそうなので一度レフコーシャに戻ることにしました。

道中、ティジェンさんの趣味であるガーデニング用品店で買い物。パンジーとペチュニアと、クリスマスが終わってセールになっていたポインセチア。トロピカルフルーツの苗なども販売する大規模店舗。

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ガーデニングショップ「エミン・アー・ガーデン」にて

レフコーシャのおうちで鉢植えを飾り終え、あ、そういえば電話、と思い出してもう一度ペンパルのお母さんにかけてみます。

呼び出し音

「アロ?」

出た! ついに!!

「すみません、昔、お宅のお嬢さんと文通してた日本人なんですが……」

我ながらなんて挨拶だよと思いますが事実なんだからしょうがないです。そこからはあれよあれよと話が進み、結局、空港へ向かう前に1時間だけおうちにお邪魔することに!

子どもの頃に何度となく手紙を送った場所をこの目で見たいとは思ったけど、まさかに書いた宛名の住所に行けるなんて、奇跡? 夢?

自分に起きていることが信じられずフワフワしていると、「トルコ語がんばってきてトルコ関係の仕事に就いたからだね~」とティジェンさん。ちょっと今混乱してるから泣かせないで……。

最終的にティジェンさんとママさん(名前はオヤさん)が時間と場所を申し合わせてくれ、それまでの1時間強、弾丸でレフコーシャ旧市街ツアーすることに。興奮しているような冷静なような不思議な気分でした。確かに奇跡なんだけど、ペンパルがSNSさえやっていれば、あるいは私だって本気で人探しするなら実家に当時の手紙が保管してあるわけで、つまり、再会できる可能性なんて1ミリも考えてなかったのにここまで来てしまったことが余計に運命じみていて現実味がなかったのです。

でもまぁ考えてもどうしようもないので、とりあえずお呼ばれまでの1時間、レフコーシャのフラッシュガイドをしてもらいます。おうちからレフコーシャの市街中心部までは車で約10分ほど。

一つ目の見どころはブュユク・ハン。ここはオスマン時代に隊商宿としてつくられた建物で、現在はテナントにアートギャラリーやハンドメイドショップ、カラギョズ(影絵芝居)シアター、お土産屋さんなどが入っています。ウルゲンさんが作品を販売しているギャラリーもあるそうです。日曜日で定休の店舗も多かったのですが、営業中のお土産屋さんの軒先では、マダムたちが驚異的な指裁きでオヤ編み(かぎ針刺繍)作品を仕上げていました。

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オヤ作品。頭に巻いたスカーフにさらに重ね巻きするのがおしゃれ
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カラギョズ劇場。日曜日は残念ながら定休

続いてはセリミイェ・モスク。キリスト教の大聖堂をモスクに転用したという歴史はイスタンブルのアヤソフィアに似ています。聖堂だった頃の名前もズバリ「アヤソフィア大聖堂」でした。ちょっとややこしいですね。ゴシック様式の重々しくて派手な装飾とモスクの目印でもあるミナレット(塔)の取り合わせは、今更ながら違和感を覚えます。

イスタンブルのアヤソフィアに関しては、もうああいうものだと思って見ているので違和感ないのですが。当時の人々にも変な組み合わせだったのかな。

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セリミイェ・モスクのミナレット(塔)は2本

夜はライトアップもしているという聖堂のぐるりを回って、続いてはスヌル・カプ(国境ゲート)。レフコーシャ(ニコシア)が世界で唯一、2国の共通首都になっている所以の国境線を見ずには帰れないでしょう。

英国政府ポータルGOV.UKの情報では、南キプロスから上陸した人は北キプロスに抜けることができます。北キプロスから上陸した人は南キプロスに抜けることはできません(日帰りならOKという話も聞きましたが不法入国あつかいです)。

こう書くとなかなか物々しいですね。でも百聞は一見に如かずとはまさにそのとおりで、実際の国境ゲートはこんな感じ。

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国境=海の日本人には不思議な感じです

シンプルです。こちら側にはトルコと北キプロスの旗、あちら側にはキプロス共和国とEUの旗。それだけ。銃を持った兵隊などもいません。 もっとライフルとか携えた平和維持軍を想像していたのにディズニーランドの入場ゲートよりシンプルです。日本には今は陸続きの国境はないので私にはとても新鮮だったのですが、ここで生まれ育ったティジェンさんにとっては、そんな私の感想そのものがおもしろかったようです。

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猫は越境自由かもしれません

よし、わずか1時間ですが、要所はだいぶ回れたかな。そしていよいよオヤさんのお宅へ。と、その前に空港から送ってくれたアクンさんの文房具屋さんにも立ち寄りました。残念ながら今日はアクンさんはお休みでしたが、店員さんに御礼を言づけました。

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オンデル文具店の社長さんに送迎してもらったということです

さて、ここから先は写真もなく、ただただ運命の再会の顛末です。

ペンパルのおうちは外国人の私でもわかるような高級分譲地の一画。玄関でオヤさんが手を振っています。もちろん感慨深いのですが、初めての海外一人旅でトルコを訪れてから13年、初めての人と会って自己紹介して、お茶飲んでお菓子食べてというのをやり続けてきたせいで、そういうのにすっかり慣れてしまったのか気負いみたいなものは全然ありませんでした。こうなることが自然だったみたいな。

ただ初めて「なんでトルコ語にしたの?」と聞かれませんでした。

文通相手本人がいる英国は深夜なので電話はせず、朝起きてこのことを知ったらどんなに驚くだろうかと想像して盛り上がりながらも、出てきた紅茶とケーキは英国式であらためて上流階級のお宅なんだと痛感します。

一方の私は旅行最終日ということもあり服装も髪もヨレヨレ、まさかこうしてお宅訪問できるとは思わないからたいしたお土産もないし、実家も庶民、日本に帰れば貧困スレスレ低給与だし・・・・・・。それなのに、トルコ語を続けて北キプロスまでたどり着いたというだけで「すごい子」みたいな歓待を受けてしまうあたり、言語のもつ力ってすごいんです。

途中でパパさんも出てきてくれて、私とティジェンさん、ペンパルのご両親の4人でこの不可思議な巡り合わせについて会話に花を咲かせていたら1時間なんてあっという間です(オヤさんがミラティの小学校の先生だったことも判明しました)。

ペンパル本人の電話番号をもらい、名残惜しいけど私は空港に向かいます。また絶対来ますね、と言ったからには来ないと。アルマトイやほかの地域もそうですが現地の友人・知人が増えるにしたがって、旅の目的が「観光」から「再会」になりつつあります。

そして空港までの20分はティジェンさんとの別れを惜しむ時間。24時間しか滞在してないのに、ここまで面倒みてくれて、応援してくれて・・・・・・。

お正月に神社にいくと「ご縁がありますように」って言いつつも別に何も考えず5円玉投げますけど、まさにこういう「ご縁」のために投げていたんだなと、地中海の小さな島まで来てようやく実感しました。

空港で別れる際、「修士とかPhDやりにいつでもおいで」と大学の街らしい別れの挨拶が印象に残っています。

以上、もしここまで読んでくださった方がいたらありがとうございます。大感謝です。
北キプロス旅に有用な情報はほとんどなかったと思いますが、世界は遠いわりに狭く、よくわからない縁によって結ばれているというお話でした。

なお、帰国後、ペンパル本人ともwhatsappでつながることができました。そう遠くないうちに対面で再会することになると思います。

おしまい


この記事で登場したアイテムの補足情報

ヘッリムチーズ(ハルミーチーズ)

キプロス特産チーズで、1cmほどの厚さにスライスしグリルで焼いて食べるのが特徴。カルディ等の輸入食品ショップでもたまにみかける。
持ち寄りBBQなどでオリーブ缶とセットで持参すると一目おかれる。

日本限定キットカット

日本限定キットカットミニ×3袋が箱に入っているやつが便利で成田空港のお土産さんで10箱セット×2つ購入しました。もっとお手軽にしたいときは抹茶味の大袋を持っていきます。キットカット自体は海外にもあるのでもらう相手も材料の検討がついて安心なのです。

シャマーリー・ケーキ

レシピ動画を見つけました。セモリナ粉や生アーモンドがあればつくれそう。

イーネ・オヤ/トゥー・オヤ

かぎ針で編むレースや縁取り刺繍作品。日本語の本も出ています。最近は女性向けのトルコ土産として人気。


北キプロス情報メモ

  • トルコ系の人々がトルコ語を話す国
  • 歴史観光のほか、メディカルツーリズム、大学キャンパス誘致、カジノなどで収入を得ている
  • 税制の関係でトルコ本土に比べてお酒は安い

北キプロスツアー

金曜日限定で北キプロスのファマグスタ地方(地図でいうと東のツノの部分)の現地オプショナルツアー(英語)があるようです。詳細はこちらをご覧ください。

紀元前から近現代までの歴史を知る 北キプロスのファマグスタ一日観光ツアー<金曜日/パフォス発>
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